不動産用語集

用語の頭文字

あ行

RC

「Reinforced Concrete」の頭文字を取ったもの。
「鉄筋コンクリート構造」という意味である。

鉄筋とコンクリートによって、柱・小梁・大梁・スラブ・壁を造り、すべての部分を一体化した構造のこと。
鉄筋コンクリートの部材は、引っ張る力にも、圧縮する力にも強いので、地震に対する安全性が高い構造となる。
また、すべての部材がコンクリートで一体化され、部材同士の接合部は剛であるので、建築学上の「ラーメン構造」となっている。

この鉄筋コンクリート構造のデメリットは、自重が大きいため、原則的には大空間建築や高層建築に向かないということである。

違約金

当事者が契約違反に備え、あらかじめ定めておく制裁金の事。

民法上、違約金は損害賠償額の予定と推定されるから、特約や反証がない限り、契約違反(債務不履行)に伴う損害賠償額は違約金の額に限定される。

なお、民法上その額に制限はないが、宅建業法では、宅建業者自ら売主となって宅建業者でない買主と売買契約を締結する場合、違約金と損害賠償額の予定は合算して代金の2割以内と制限している。

違約手付

当事者に違約違反(債務不履行)があった場合に、違約罰(ペナルティ)として没収する趣旨で交付される手付の事。

違約手付はこのように違約罰という趣旨を有するために、債務不履行の際には別途損害賠償を請求することも可能となる。

なお、宅建業法では、業者自ら売主で業者以外の買主と売買契約をする場合、手付は全て解約手付とされ、これに反する違約は無効とされている。

受取証

債権者が債務の弁済を受けたことを証明するために債務者に交付する書面。

平たく言えば領収証の事である。

一般に債務の弁済と領収証受取証の交付は同時覆行関係で役に立つ。

なお、類似の語句に再建証書があるが、弁済とは同時覆行の関係ではないので、混同しないように注意しなくてはならない。

SRC

「Steel Reinforced Concrete」の頭文字を取ったもの。
「鉄骨鉄筋コンクリート構造」という意味である。

鉄筋コンクリートに、鉄骨を内蔵させた建築構造。
比較的小さい断面で、強い骨組を作ることができ、粘り強さもあるため、高層建築に多用されている。

か行

旧法賃借権

旧法賃借権が施行された日(1992(平成4)年8月1日)より前に成立した借地権であって、旧借地法にもとづく借地権のこと。

共益費

・共益費
賃貸集合住宅の入居者や事務所ビルのテナントが、建物の賃料とは別に負担する費用をいう。

建物全体の清掃や補修、警備等の費用、建物の共用部分に関する付加使用料など、入居者やテナントが分別して負担することが難しい費用が対象となる。
専有面積当たりで算出し、月払いするのが一般的である。

共用部分

分譲マンションのような区分所有建物のうち、専有部分以外の部分(廊下・階段等)、及び規約で共用部分と定められた部分(集会室等)をいう。

共用部分の権利形態は原則として区分所有者全員の共有となる。

建ぺい率

敷地面積に対する建築面積(建物の水平投影面積)の割合(%)。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の建築面積が50平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は50%ということになる。

建物の建ぺい率の限度は、原則として、用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。

さ行

敷金

賃貸契約(主に建物)の締結に際し、当該契約から生じうる一切の債務を担保するため、賃借人から賃貸人に交付される一時金の事。

敷金は、賃貸借契約が終了し引渡の後、賃借人に債務があればそれを差し引いた額、債務がなければその金額が、賃借人に返金される。

なお、契約中に賃借人が交替した場合は敷金関係も新賃貸人に継承されるが、賃借人が交替した場合は新賃借人に継承されないのが原則である。

借地権

借地権とは次の2つの権利のどちらかのことである(借地借家法第2条)。

1.建物を所有する目的で設定された地上権
2.建物を所有する目的で設定された土地借地権

従って、資材置場にする目的で設定された土地賃借権は「借地権」ではない。
また、青空駐車場とする目的で設定された土地賃借権も「借地権」ではないことになる。

修繕積立金

管理組合が管理費とは別に共用部分や付属施設などの修繕を目的とした長期計画に従って修繕を実施するために、区分所有者から毎月徴収した金銭を積み立てたものである。
管理費と同様、一般的に専有部分の専有部分の面積の割合で月額料金が定められている。

所有権

法令の範囲内で、物を全面的・かつ自由に使用・収益・処分することができる物権。

物権法定主義により民法は物権の種類を限定的に定めているが、それらの物権の中心となる権利である。

条例

地方公共団体の議会の議決によって制定される法。

条例は、地方公共団体の事務に関する事項で、法律に反しない範囲で制定することができる。

具体的には、神奈川県の条例は、神奈川県だけで通用するものであり、神奈川県議会の議決で定められる。

また、条例には一定の範囲で罰則を設けることもできる。

セットバック

2項道路(建築基準法第42条第2項の規定により道路であるものとみなされた幅4m未満の道のこと)に接する場合において、建物を建築・再建築する際、道路の中心線から2mとなるよう敷地の一部を後退させることをいう。
なお、セットバックした部分は道路とみなされ、建物を建築することはできない。

専有部分

構造上の独立性と利用上の独立性を有することにより、区分所有法の規定により区分所有権の目的となる建物の部分。

簡単に言えば分譲マンションの各戸である。

専有部分を有する者を区分所有者という。

SOHO利用

Small-Office Home-Officeの頭文字で、小規模事務所や自宅で働く職場形態、もしくはその用途に対応した物件のこと。

造作譲渡

主に店舗物件で、内部造作を引き継いだ状態で貸し出すこと。居抜きとの違いは、造作のみで、備品などは含まないこと。

た行

代理人

代理権を有する者のことをいう。

代理は本人に代わって意思表示をなし、効果は本人の方に帰属する制度であるから、代理人自身の利益が害されるおそれはない。

そこで民法は制限行為能力者でも他人の代理人が制限行為能力者だったという理由では、本人・代理人又は法定代理人も、その代理行為を取り消すことはできない。

なお、本人の意思表示によって代理権を受けた者を任意代理人、法律の規定によって代理権を取得した者を法定代理人という。

仲介手数料

宅地建物取引業者を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、媒介契約にもとづき、宅地建物取引業者に成功報酬として支払うお金のこと。
媒介手数料(媒介報酬)ともいう。

定期借家契約

平成12年3月1日の改正法施行により、借家契約時に貸主が「期間の満了により契約が終了する」ことを借家人に対して、公正証書などの書面を交付して説明する場合には、賃貸期間が終了すると借家契約も終了し、借家人は退去しなければならないとする契約。
原則として契約の更新はできず、再契約には貸し主・借家人双方の合意が必要である。

定期建物賃貸借

あらかじめ当時者で定めた期間が満了したときに、確定的に終了する建物賃貸借の事。

通常の建物賃貸借は、貸主に正当事由がないと更新拒絶ができないため、貸主が賃貸借契約をためらうケースが多かった。

そこで、借家の安定提供を促進するため、新しい契約形態として創設された制度である。

定期建物賃貸借をするためには、賃貸人があらかじめ賃借人に対し、書面を交付して説明しなければならない。

また、書面で契約しなければならない。

テラスハウス

2階建ての連棟式住宅のことをいう。
隣家とは共用の壁で連続しているので、連棟建て、長屋建てともいわれる。
各住戸の敷地は、各住戸の単独所有となっている。

転貸借

賃借人が賃借物を第三者に賃貸すること(転貸)をいう。

原則として転貸借には賃貸人の承諾が必要であり、無断転貸は解除原因となるが、賃貸人に対する背信行為すなわち信頼関係を破壊する行為と認められない場合には、承諾なしに転貸しても賃貸人は賃貸借契約を解除することができない。

都市計画区域

都市計画法に基づき、計画的な都市づくりを行うために指定された区域の事。

市などの中心の市街地を含み、自然的、社会的条件、その他現況及び推移を勘案して、一体の都市として総合的に整備・開発し、及び保全する必要がある区域等が指定する。

ただし、2以上の都道府県にまたがる都市計画区域は一の市町村または都府県の区域を越えて指定されることもある。

は行

フリーレント

建物等の賃貸契約において、一定期間賃料を無料とすることをいう。

賃料相場等への影響を避けながら実質的に賃料を割安にする手法であり、販売促進の方法の一つである。

主として事務所ビルの賃貸に際して採用されることがあるが、住宅賃貸においても採用されるケースがある。

壁芯

マンション住戸の寸法の測り方のひとつで、壁の中の中心線を想定し、その中心線に囲まれた面積を「床面積」とする考え方のことをいう。

 

ま行

無過失責任

自分の行為に故意・過失がなくても責任を負わねばならないこと。

例えば、民法第570条の瑕疵担保責任のように売買したものに欠陥があった場合、その欠陥が売主の故意・過失によるものでないにもかかわらず、売主は責任を負わなければならない。

や行

容積率

延べ面積を敷地面積で割った値のこと。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の延べ面積が90平方メートルならば、この住宅の容積率は90%ということになる。

ら行

リノベーション

新築を除く住宅の増築、改装・改修、模様替え、設備の取替えや新設などの改造工事を総称してリノベーションという。

リフォーム、リモデルなどとも。

既存建物の耐震補強工事もリノベーションの一種である。

利回り

投資額に対する収益額の割合。

利回りを算定する投資の対象は、株式などの証券類、投資信託、不動産、金などの特定商品のほか、各種の金融商品である。また、算定する収益は、投資対象に応じて、利息、配当金、賃料、売却益などであるが、資産保有から得るインカムゲインに限定し、売買から得るキャピタルゲインは除外する場合も多い。算定期間は通常1年間で、「年利回り」ともいう。

不動産投資の利回りには、賃料収入をそのまま収益とする「表面利回り」と、維持経費を控除して収益を算定する「実質利回り」とがある。また、資産価値の算定に当たって、将来発生する収益額を現在価値に割り戻すときに用いる利率が「還元利回り」である。

なお、一般に、利回りが高い投資対象は、価格の変動性(ボラティリティ)が大きく、リスクも高いとされている(ハイリスク・ハイリターンの原則)。

礼金

建物の賃貸借契約を締結する際に、借主から貸主に対して、謝礼として支払われる金銭をいう。
契約が終了しても通常、借主に返還されない。